あなたは最近、欲しいと思ったものありますか?欲しいもの、たくさんありますか?
ファッションやオシャレするのが好きな人は。「春にぴったりのワンピース欲しいな」と思って、ワンピースを購入!
すると、「ワンピースに合わせる上着が欲しいな」と思うようになって、上着を新調! 満足していたその矢先、「このコーディネートにしっくりくる靴が欲しい!」と感じるように。
一つ 欲しいものを手に入れても、また次のものが欲しくなる こんな感覚体験したことありませんか。
おもちゃやスニーカー、マンガや書籍、推しグッズなどなど・・・モノを集めるのが好きという人も、このサイクルに陥っている時ありませんか。
「あれが欲しい!」「新しい○○を買ったら、もっと幸せになれるかも…」
でも、いざ手に入れてみると「次はこれが欲しい…」と、物欲は尽きることがありません…。
そう。こういう欲って。際限ないですよね。今回はこの「欲の仕組み」を、脳科学と哲学でひも解いてみましょう。
収集癖や買い物依存を止めたいと考えている人や、「物欲」「買い物欲」との上手な付き合い方を知りたい人、単純に欲のメカニズムを知りたい人、のお役に立つ記事となっています。
物欲・欲望を脳科学で見ると
こうした 「〇〇が欲しい!」という気持ち は、誰にでもありますよね。でも、私たちは 欲しいものを手に入れても、また次のものが欲しくなる の繰り返しを日常的に行っています。
なぜ私たちは 「もっと、もっと!」 と欲しくなってしまうのでしょうか?考えたことありますか?
あるテレビ番組で米津玄師さんが、面白いことにこの核心をつく体験を話しているのを観ました。それは宅配ピザに関することでした。
米津さんいわく、「ピザのデリバリーって。メニューを選んでる時が一番ワクワクしませんか?」と。
アレにしようか、コレにしようか、悩みがらも嬉し楽しで選んで。注文した後ピザが届くまではちょっとソワソワしながらも待ち遠しくて。いざ、届きました!ってなった瞬間、あのメニューを選んでいる時ほどの期待感は薄れている感じ・・・」というようなことを話していました。
そうなんです!まさにこれなんです!その答えは、脳内のある物質にあります。
幸せの感覚・満たされた感覚とは?
物を欲しがる気持ちはもちろん悪いことでもありません、誰でもありますよね。というのも、物欲は人間の脳の基本的な仕組みのひとつです。むしろ、物欲自体は 人間の成長に必要なエネルギー とも言われています。
欲しい物が手に入ると、満たされて幸せな気持ちになりますね。あの幸せな感覚、満たされた感覚というのは、科学的にみるとドーパミンという神経伝達物質が分泌されている状態なんです。
物を得ることだけではなく、クイズや謎解を解いた時、ゲームをクリアした時に「できた!」っていう快感を経験したことありませんか。あれもドーパミンの働きです。
小さいころ、鉄棒で逆上がりを何度も練習して。できた!という時の快感、達成感、満足感。あの感覚も然り。
一度できると、次は何回続けてできるか!と挑戦して楽しかったこの感覚。幼少期の逆上がりの練習のように、次の行動へのモチベーションにつながるわけです。
ヨガでも、アーサナの練習中に「苦手だったアーサナが前よりできるようになった!」「バランスがとりやすくなった!」「少し上達した!」という感覚を得ると、よし!もっと練習しよう!とモチベーションが上がったりします。
科学的にみるとドーパミンは 「快楽」や「やる気」に関係する脳内ホルモン です。
ドーパミンとは?
例えば、
✅ おいしいものを食べたとき
✅ 欲しかったものを手に入れたとき
✅ 誰かに褒められたとき
✅ 何かが達成できた時
こんなときに ドーパミンが分泌 され、私たちは「うれしい!」「楽しい!」と感じます。
ドーパミンは 人間が目標を達成するための原動力になる ため、私たちの生活に欠かせないものです。
でも、ここに 落とし穴 があります。
効果が続かない。それがドーパミン
何かを学んで結果を出したり、何かを達成できると感じられたり、必要なものを手に入れたりした時にドーパミンによって得られる多幸感。このなんとも言えない満足感、快感。これを体感すると「この感覚をもう一度味わいたいっ!!」という気持ちになります。
ですが買い物をしている時は楽しいのに、実際に商品を購入した後や商品が届くと。不思議なほど気持ちが冷めているなど、経験したことありませんか。
残念ながら。ドーパミンの効果というのは短時間で消えてしまうのです・・・🥲
ドーパミンは 「快楽」「報酬」 に関係する脳内物質で、「やる気ホルモン」とも呼ばれます。脳には「報酬系」と呼ばれるシステムがあり、ドーパミンはこの報酬系を活性化します。
例えば、女性ならこんな経験してるはず…
これこそが 報酬系のループ です!
ドーパミンは 「手に入れるまでの期待感」 を増幅させますが、手に入れた後の満足感は長続きしない ため、また次のものを欲しくなるのです。
この仕組みはギャンブルや、SNSの「いいね!」欲しさ、ゲームの課金などにも共通しています。
え!?手に入れる前が幸せのピーク!?欲とドーパミンの関係

実は、ドーパミンというのは「何かに期待している時に一番出る」という特徴が。
謎解きでいえば、問題が解けた直後よりも、「もしかしたらこれで解けるかもしれない!」と思いついた時。
逆上がりでいえば、「もう、あとちょっとでできるかもしれない!」時。
大型プロジェクトでいえば「これを成し遂げたら結果がついてくる!」という期待を込めて一生懸命に準備をしているという時に分泌されるシロモノ…。
ドーパミンの分泌は 「手に入れるまで」「達成するまで」がピーク で、実際に手に入れると すぐに減少 してしまいます。
例えば…
📱 新しいスマホを買う前はワクワクする → 買ったらすぐ慣れて、次の機種が気になる
👗 服を買ったときは満足する → すぐに新作が欲しくなる
🚗 高級車を手に入れたらうれしい → でももっといい車が欲しくなる
これは 「予測の快感」 が、私たちの物欲を刺激しているからです。
つまり、「手に入れること」よりも「手に入れるまでの過程」のほうが、脳にとっては楽しい のです。

服を買う時も、あれこれ思い悩んでコーディネートを想像している時が一番楽しいワケです。
旅行、お出かけ、デートの際にも体感したことがあるはず。
次の休みは、ランチはここであれを食べて。次は眺めの良いあそこに行って…と計画している時、ワクワクしていますよね。実際にその場に行って、その景観を眺めた時や食事をした時。
残念ながらその感動はすぐに消え去ったり、もしくは思い描いていたほどの感動が無いこともあったりするわけです。
でもそういった感覚も、ドーパミンのこういった特徴からなので、仕方のないことなんです。
欲を哲学でひも解くと。欲望は心のはたらきの一つ
物欲・欲望というのは心のはたらきの一つとも言えます。ヨガ哲学では心には、欲望、思考、智慧という3つのはたらき・質があると考えています。
〇〇をしたい、あそこに行きたい、アレが欲しい、アレを食べたい。これらの欲望を叶えることが幸せになれる手立てと考えがちです。欲望を全て満たせたら、何もかも満足、happyな気がしますよね。
ところが。先ほど触れたように、
物を買った直後、幸福の余韻はものの数秒で消え失せてしまいます。
行きたいと思ってたレストランで、食べたいコースを頼んで、いざ食事をし終わってみると。美味しいもの食べられてシアワセと感じていたその満足感も、長くは留まってくれないのです…。
食べ終わって、レストランを出て、ものの数秒のうちに、もう次の欲望の対象を探し始めている…という繰り返し。
欲望が与えてくれる幸福は、手に入れたと思った瞬間、すぐその手かからこぼれ落ちていくもの。欲望が与えてくれる幸福は必ず衰えるもので、長く留まってくれない。幸福で居続けることができないということです。
だから、一つの欲望を満たしたら、すぐ次の対象に移ってまたそれを得たら次・・・と延々と繰り返すことに。
「欲望を満たす幸せ」というものをよく観察してみると、それほど長続きしないということが分かるのです。美味しい食べ物であろうと欲しかった高級品であろうと、です。
それを得た瞬間は満たされますが、あっという間にそれは衰え、幸福の余韻が消えてしまったら次の欲望の対象を探し始めるだけ、という仕組みに私たちは無意識に陥っているそうな🥲
欲望の性質と、思考についてはまた別の記事でも触れたいと思います。
物欲が止まらない理由 ―「ドーパミン中毒」
脳科学的にみると私たちの脳は、実は「もっと!もっと!」 と欲しがるようにできています。これは、人間の進化の過程で 「より多くのものを手に入れたほうが生存に有利」 だったからです。
つまり、より多くのものを求める本能 が、私たちのDNAに刻まれているのです。
しかし、現代では 「生存に必要なもの」ではなく、「より新しい・より高価なもの」を求めるように変化 しています。これが 「物欲が止まらない」原因 です。
さらに、ドーパミンには 「報酬回路を強化する性質」 があります。これは 「手に入れると気持ちいい」という経験を強化し、次も同じ行動をしたくなるという仕組みです。

「物欲のループ」から抜けだすちょっとしたコツ
ドーパミンの性質を知った上で、無駄な物欲をコントロールする方法 を考えてみましょう。
① 「買うまでのワクワク」を楽しむ
「欲しい!」と思ったら、すぐに買わずに しばらくその気持ちを楽しむ のもコツ。ドーパミンは「手に入れるまで」が一番出るので、それを逆手に取り、買う前のワクワク感をじっくり味わうことを覚えると満足感を長く感じることが可能に。
お出かけやデート、イベントなど、それまでの準備を楽しむことをこれまで以上に意識してみましょう♪旅行などは行くまでの準備が楽しいって感覚、みなさん経験したことがあるはず。
② 経験にお金を使う(モノよりコト)
モノは すぐに飽きる けれど、経験は長く満足感が続く ことが研究で分かっています。
🔹 経験にお金を使う例
- 旅行やイベント(思い出はずっと残る)
- 習い事や自己投資(スキルや知識が身につく)⇒ ヨガ はまさにこれに相当しますね!😊
- 家族や友人との時間(幸せホルモン=オキシトシンが増える)
③ 「持たない幸せ」を意識してみる
物がたくさんあることで、私達は日常的に疲弊している面もあるんです。今日、会社に何を着ていくか、友人と会うのに何を着ようかを決める時。どのカバン、どの時計、どの靴にしようか・・・。たくさんあるからこそ悩み、脳が疲れたりします。
- モノが少ないと、選択のストレスが減る(決断疲れを防げる)
- 「今あるもので満足する力」を鍛えられる
今あるモノで満足する考えはヨガ哲学そのものですね。日本では「足るを知る」という言葉で馴染みがあるでしょう。
大がかりな断捨離はハードルが高くとも、定期的なプチ断捨離・物を捨てるという習慣は身に付けたいものです。

まとめ ― 物欲は悪いものじゃない! でも、振り回されないように
繰り返しますが、物欲は悪いものではありません。人間の成長に必要なエネルギー でもあります。
買い物をたくさんして「大満足!心からHAPPY!」次から次へ欲望を叶えて、それがモチベーションになっている!と感じられている人はそれでいいと思います。
買っても買っても満たされず空虚感がある、なぜ次から次に買ってしまうんだろう…と思っている人は、このメカニズムを知ってくと役に立つと思います。
✅ ドーパミンは「手に入れるまで」に分泌される → 買った瞬間に減る!
✅ 次々と新しいものが欲しくなるのは「報酬回路」のせい
✅ 物欲を抑えるには、「買う前のワクワク感」を楽しむのがコツ
✅ モノより経験にお金を使うと、満足感が続く
物欲自体は 人間の成長に必要なエネルギー ですが、無計画に振り回されると「買っても満足できない…」と悩むことになります。
ドーパミンを味方につけて、欲望と上手に付き合っていけるといいですね。

欲望は脳の仕組みで自然に生まれるものですが、コントロール次第でより充実した人生を送ることができます!
欲に忠実に生きて、それが次の行動のモチベーションになる!目標達成が楽しい!というタイプの人、そう思えている間はそれでいいと思います♪
欲望に忠実な生き方。キライじゃないです。そう生きられたら、それができて何も不都合がなく違和感を感じずにいられたら幸せだと思います。
しかし、それに疲れてしまった時にはぜひ、この仕組みを思い出してもらえると、ラクになれることもあるでしょう。
正論だけでもなく、欲望に翻弄され過ぎるでもなく。そんな風にバランスをとって生きるということを、物や情報・テクノロジーに満ち溢れた世の中で私たちは無意識に行って過ごしています。自覚はしていなくとも、脳や心が混乱したり分裂したり、疲弊している場合も。
「次に買うもの」よりも、「今の自分」に目を向けてみるのも、大切かもしれませんね😊
ヨガはまさに「今の自分」「今この瞬間」にフォーカスする時間です。お役に立つこと間違いなし👍
「物欲を完全になくす」必要はありません。むしろ、うまくコントロールすることで、人生をより楽しむことができます。