欲張って生きるのと、欲を少なく生きる、どっちが幸せ?
「欲を減らすと幸せになれる」と聞いたことはありますか? これは、「ヨーガ・スートラ」というヨガの古典・ヨガ哲学でよく言われる考え方です。一方で、「目標や夢を持ち、それを叶えていくことが幸せだ」と考える人も多いですよね。
この二つの考え方は、一見すると正反対に見えます。でも、どちらも「幸せになること」を目的にしているのです。では、どうすればうまくバランスをとれるのでしょうか?
1. ヨーガ・スートラとは?
ヨーガ・スートラとは、インドの哲学者パタンジャリによってまとめられた、ヨガの教えを体系化した古典です。
ヨガといえば、体を動かすポーズ(アーサナ)を思い浮かべる人も多いですが、ヨーガ・スートラは、単なるエクササイズではなく、「心の鍛錬」や「よりよく生きるための知恵」に重点を置いています。
ヨーガ・スートラの中には、心と体を整えるためには8つのステップがあるとしています。八支則(アシュターンガ)と呼ばれるものです。アーサナ(ポーズ)とか、プラーナヤーマー(呼吸法)はその中の第3ステップ、第4ステップとして位置づけられています。(ここでは詳細は割愛します)
で、この8つのステップの中でも、欲を減らすことに関連するのが「ヤマ(禁戒)」と「ニヤマ(勧戒)」です。

少し、聞きなれない言葉が続きますので、面倒くさい人、飽きそうな人、時間がない人は細かい言葉は読み飛ばしてくださいね😅
- ヤマ(禁戒):やってはいけないこと
- アヒンサー(非暴力):他人や自分を傷つけない
- サティヤ(正直):嘘をつかず、誠実でいる
- アスティヤ(不盗):他人のものを盗まない
- ブラフマチャリヤ(禁欲):欲望を抑え、節制する
- アパリグラハ(不貪):執着せず、必要以上の物を持たない
- ニヤマ(勧戒):積極的に行うべきこと
- シャウチャ(清浄):体と心を清潔に保つ
- サントーシャ(知足):今あるものに満足し、感謝する
- タパス(鍛錬):自 disciplineを持ち、努力を続ける
- スヴァディヤーヤ(学び):自己探求をし、知識を深める
- イーシュワラ・プラニダーナ(献身):大いなる存在に委ねる
難しいことはさておき。良いとこどりしてみよう

上記を読み解くと、特に「アパリグラハ(不貪)」と「サントーシャ(知足)」は、物欲や執着を手放し、今ある幸せを大切にすることを説いています。
ヤマ、ニヤマを厳密・厳格に行うのは社会生活を営んでいる私達には不可能に近いものです。これと正反対なのがまさに人間とも言えます🥲
世俗に生きる者にとって、とても難儀なのが特にヤマの記述であり、苦行者・求道者向けの訓戒・メッセージではありますが、日常社会で生きる私達にも参考になる部分は大いにありますので、効率よくイイとこどりしてみましょう。
欲を減らすと幸せになれる?
ヨーガ・スートラでは、物質的な欲を減らし、心を満たすことで本当の幸福が得られるとされています。
- 物欲や執着を減らすことで、心の平穏が得られる。
- 何かを「得る」ことで幸せになるのではなく、「今あるもの」に満足する。
- 過剰な欲望は、不安や焦りを生み出し、結局は苦しみを生む。
これは、「足るを知る」ことの大切さを教えてくれる考え方です。
例えば、家にモノが溢れていると、探し物が見つからなかったり、掃除が面倒になったりしてストレスが溜まります。でも、必要なものだけを持つと、暮らしがシンプルになり、気持ちもスッキリする。
また、仕事でも「もっと給料を上げたい」と思って転職を繰り返すより、「今の環境でできることを増やそう」と考えたほうが満足感が得られることもあります。
このように、欲を減らすことで、心が軽くなり、余計なストレスがなくなったりするワケです。
夢や目標を持つことは幸せに繋がる?
一方で、「もっと成長したい」「夢を叶えたい」と思う気持ちは、人生を充実させる大切な原動力です。
- 目標を持つことで、人生にワクワク感が生まれる。
- 挑戦することで、自信がつき、達成感が得られる。
- 夢を追う過程そのものが、充実感や喜びを生み出す。
こう考えると、「欲を持つこと」も決して悪いことではありません。
例えば、スポーツ選手が「オリンピックに出場したい」と努力を重ねることで成長し、結果として多くの人に感動を与えます。
あるいは、カフェを開業したい人が「お客様に喜んでもらいたい」と試行錯誤する過程が楽しく、充実感を得られることも。

このように、目標を持ち、それを実現するための努力そのものが幸福につながるのです。
「欲張ること=行動の原動力」という側面があります。自分が欲しいもの・やりたいことを明確にし、それに向かって努力を積み重ね、成功している人々もたくさんいます。脳の仕組みを上手く利用した結果でもあります。
欲と目標達成に関する記事はこちら⬇️
やる気とドーパミンに関する記事はこちらもどうぞ⬇️
どうバランスを取る?
"必要な欲"と"不要な欲"を分けてみる

すべての欲を手放すのは難しいので、「本当に大切なもの」だけを残すことが大切です。
例えば、
- 不要な欲:「他人と比べてもっといい車が欲しい」「流行りだからとりあえず買う」→ これらは手放しても問題なし。
- 必要な欲:「家族を養うために収入を増やしたい」「健康のために運動習慣をつけたい」→ これらは大切にする。
- 短期的な快楽(浪費、見栄、他人との比較) → 手放す
- 自分の成長につながる欲(学び、挑戦、愛、健康) → 大切にする
頭の中だけで考えていてもぐちゃぐちゃしてしまう場合、書き出してみると思いのほかスッキリするかもしれません👍

目標を持ちつつ、今の幸せを感じる
「夢を叶えたら幸せになる」ではなく、「今の自分も幸せ」と思えることが大切です。
例えば、留学を目指している人が「海外に行けば幸せになれる」と思っていると、今の生活に不満を感じやすくなります。でも、「今できる英語の勉強を楽しもう」と考えれば、現在の時間も充実するのです。
- 未来を目指しながらも、今の生活の中で小さな幸せを見つける。
- 成功することだけが目的ではなく、そのプロセスも楽しむ。
手放すことで、より大きな夢を叶えられる
執着を手放すことで、新しいチャンスが巡ってくることもあります。
例えば、
- 物を減らすと、余計な出費が減り、貯金がしやすくなる。
- 物を減らすと、身軽になり、本当に大切なことに集中できる。
- 仕事を増やすより、働き方を見直すと、自由な時間が増えて人生が豊かになる。
- 固執しすぎると視野が狭くなるが、柔軟でいると新しい可能性が見えてくる。
執着を減らせば、そのぶん本当にやりたいことに集中できるようになるワケですね。

まとめ
「欲を手放すこと」と「夢を追いかけること」は、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。
例えば、「お金を稼ぐこと」は悪いことではなく、何のために稼ぐのかを明確にすることで、執着せずに目的や夢を追いかけることができます。
大切なのは、自分にとって何が「本当に価値のある欲」なのかを見極めること。そして、目標や夢やを追いながらも、今ある幸せに気づくこと。
そんな風にできたらとってもバランスがとれた生き方ですよね。言うは易く行うは難し、かもですが・・・。
「欲を減らすことで心を満たし、夢を持つことで人生を豊かにする」 そんなバランスの取れた生き方を目指してみたいものですね😄